蕎麦匠 たじま
いさぎよくムダを省いたシンプルな店内 |
広尾の街にとけ込むスタイリッシュな本格蕎麦屋
有栖川公園の新緑が目にも鮮やかなこの季節。ぶらりと広尾の街を散歩して、ちょっと洒落た蕎麦屋に立ち寄る。そんな初夏の楽しみはいかが?
白壁のシンプルな外観はアートスペースかカフェのよう。すっきりと白と黒でまとめられた店内は従来の蕎麦屋のイメージとは一線を画している。しかし単に「シンプル」というわけではない。特注というそのイスひとつ、机ひとつに静かな存在感を感じる。 |
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やさしく炊き上げられた春野菜に旬を感じて |
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こだわりの野菜料理 繊細な技が光る
「蕎麦匠たじま」では素材の良さを生かした野菜料理をきちんと味わわせてくれる。「たじま」の野菜料理は見た目の美しさもその味も、“そば屋の一品料理の枠”をはるかに超えた本格割烹のおもむきなのだ。旬にこだわり、月替わりでメニューを提案している。「グリンピースの白和え」は歯ごたえの残し方が絶妙。うるい、たらの芽、新ジャガ、竹の子の「春野菜の炊き合わせ」は春野菜特有の「野味」が感じられるよう、あくまで淡い味に炊き上げられている。新ジャガは一度水にさらしてでんぷん質を抜いてから素揚げしてあるので、ホクホクとして箸がすすむ。ひとつひとつの丁寧な仕事ぶりがすべての料理のレベルをあげているのだ。
「そばコース」(3,000円〜4,200円)は今月の野菜小鉢より三品、野菜料理より一品、もり又はかけそばが基本の組み合わせ。これにさらに「合鴨のあぶり焼き」などを加えてみたい。レアに焼き上げられた鴨は塩、ゆず胡椒、すだちでシンプルに。脂の旨味をしっかり噛み締めて味わおう。
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角のしっかり立った蕎麦 濃いめのつゆでキリっと締める |
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「十割蕎麦」に極上つゆ そばコースのインパクトは大!
締めの蕎麦を食べれば、このそばコースの組み立ての“妙”に思わずうならされるはず。毎朝丁寧に石臼でひかれるつなぎのない「十割そば」はそば粉の香りの高さが段違い。十割にありがちなザラつきなど全くない蕎麦の舌触りとのど越しには店主の力量を感じる。そしてなんと言ってもパンチの効いたきりっと濃いめのつゆが秀逸。このつゆをあくまで“粋(いき)”にほんの少しだけつけて、そばの風味を楽しみたい。「なるほど、これがたじまの蕎麦か!」と強烈に記憶にやきつけられるだろう。料理には醤油の味や汁物が巧みに避けられており、コースの最後の蕎麦のキレで「蕎麦匠たじま」が強烈に印象に残る。
「なんと言ってもそばですから、気軽に楽しんでください。」と語る店主の田島さん。外観から食器に至るまで、すべてをシンプルに徹したのはその味と技への自信のあらわれ。若き蕎麦匠の“粋な筋立て”にのってみるのもオツなものだ。
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